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原発の安全は,定期点検や規制の強化によって護れるか?
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(中井浩二) わが国の原発の稼働率が米仏に比べて著しく低いことを能沢さんから学んで驚いた。 勿論福島原発事故以前のことである。能沢さんの指摘に刺激されてインターネットで探すと経済産業研究所の戒能一成氏の論文「原子力発電所の稼働率・トラブル発生率に関する日米比較分析」を見つけた。94ページに及ぶ長文を再録できないが,戒能氏は定期検査の適正化を求めておられる。定期点検に費やす時間の差が日米の稼働率の差に結びついている。 「定期点検」と言うと身近なところで自動車の定期検査「車検」が頭に浮かぶ。これは日本の特有の制度であり、米国をはじめ先進諸外国から来訪した友人を驚かしている。機械や大型装置が順調に正常運転をしている時突然に停止するとその回復に無駄な時間を要したり故障の原因にもなるものである。加速器の場合を例に挙げると、高エネルギー研究所の12GeV陽子シンクロトロンは初めのうち毎週月曜日を点検日として運転を止めていた。同じ時、兄貴分に当たる米国ブルックヘブン研究所のシンクロトロンAGSはずっと連続的に運転していると知ったので、こちらも週一回の点検日をやめて連続運転をしてもらうことにすると、実験装置をも含めて実験の全てが順調に進み研究成果もあがって迫力ある研究ができた。 原発のような複雑で大きなシステムの安全生を考える時、規制を強化し定期点検を義務づけることは必要である。しかし、充分ではない。それにも拘らずテストや点検を重視して規制するのは,それによって責任をとれると考える典型的な官僚的な考えである。それは、能率の低下を招き、直接或いは間接に故障や事故の因にもなる。 原発再開の条件とされている「ストレステスト」は必要条件であって、充分条件ではない。原発再開の条件はもっと深く考えて対処しなければならない。 |
